By | 2015年5月6日

30年前の8ミリ映画を見る 西田宣善

いま製作中の監督作品のために、学生時代に作っていた8ミリ映画を見た。しかも、フィルムで。中には、ほぼ30年ぶりに見た映画もあって、懐かしいというより新鮮な体験だった。見た映画は3本。長編2本と中編1本。

『piece of mind』(1984年)牧正之監督。私が製作・共同脚本・共同撮影・出演。8ミリとは言え、私の長編プロデューサーとしての初作品である。既にオムロピクチャーズという製作プロダクション名を使っている。この時、大学1年で、サークルでの立ち位置のこともあって、製作が難航して、1年以上かかった。途中、女優が降板してしまい、そのネタを映画につかって、その行方不明の女優さんのシーンを使ってしまっている。映画についての映画だからだ。今は音楽の著作権に対する意識が自主映画でもちゃんとしているが、その頃はまだ緩かったこともあって、有名な楽曲をバンバン使っている。この映画は30年近く見ていなかった。

『VIRIDIAN ROAD』より 女の子役の佐藤真理(右)と主人公成瀬桂一役の河村幸夫

『VIRIDIAN ROAD』より 女の子役の佐藤真理(右)と主人公成瀬桂一役の河村幸夫

『VIRIDIAN ROAD』(1985年)西田宣善監督・脚本・共同製作・出演。私の今のところ唯一の長編監督作品。この頃は、物語の解体することが流行っていた時で、物語の再構築がテーマとなっていて、映画についての映画も避けたかったので、主人公は彫刻をしている設定のファンタジー。長廻しが基調で、撮影監督の牧正之君のキャメラワークと撮影設計が、今見ても抜群。これには少し驚いた。製作を始める途中でシナリオを作家の辻真先さんに評価していただいたのだが、私自身のシナリオは今更ながらよく書けていると思った。長い年月を経て、完成作品を見て、シナリオについて考えるというのも不思議なものだが、これを見て、「映画はシナリオだ」と思った。なお、この作品から重要度の高い作品の頭にオムロの今のマークに近いものが既に使われている。

『中国好きな娘』(1986年)西田宣善監督・製作・共同脚本・撮影。これは中編で、軽いエッセイのような作品。ゴダールの『中国女』からタイトルを借りている。いまアルタミラピクチャーズでプロデューサーをしている山川雅彦君が持っていた企画を貰い受けたというか、奪った。山川君がシナリオを書くはずだったが、書けなくて、私が引き継いだのだが、撮影中もほとんどシナリオはなく、ところどころメモ書きを俳優たちに渡して演じてもらった。これはところどころに長廻しのシーンが入っていて、いちばん長いのは5分半ほどある。通常、8ミリフィルムは3分20秒しか長廻しができないのだが、この作品では長尺のフィルムを装着できるカメラを使用したので、それができた。

3本の自作フィルムを見ると、意外とおもしろかったのだが、どうしても映画が作りたくなってしまう。うずうずと。とりあえず今製作中の作品を完成したら、次に自分の監督作品も準備したい。低予算の自主映画でもいいと思う。


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