By | 2015年6月11日

溝口健二についての蓮實重彦氏、青山真治監督対談 西田宣善

2015年6月5日発売のキネマ旬報誌にて、『溝口健二著作集』と溝口の映画について、蓮實重彦先生(映画評論家、フランス文学者)と青山真治監督との対談を6ページにわたって掲載している。私は司会・構成・文ということだが、まあそれ以上にそもそもこの企画を立案して実行するまで、長い時間をかけてきた。

私が企画編集・発行した溝口健二著、佐相勉編「溝口健二著作集」(発行オムロ 発売キネマ旬報社)が世に出たのが2013年5月。その直後に蓮實先生には本をお送りしていて対談の話をさせていただいた。しかし、例の大著「『ボヴァリー夫人』論」のゲラを読むのに時間がないということで、しばらく待たせていただくことなった。キネマ旬報の明智惠子編集長は、蓮實先生に出ていただけるのならば、いつでも誌面をあけますという約束だった。対談をようやく実施することができたのは今年の3月6日。場所は蓮實邸であった。

対談の中身については誌面を見ていただくのがいいのだが、対談の時間は1時間半。丸起こしした文字数は2万字を超えていた。しかし、キネ旬から申し渡された文字数は僅かに6千字。3分の1に圧縮しなくてはならない。対談や座談会の時、場合によっては全体の中から部分的にあっちこっち引っ張ってきて文章化することも多い。だが、このお二人のお話には明らかに流れがあって、一定のヴォリュームのある文章をブロックごと切って、構成するしかなかった。本当に泣く泣くカットしたお話も多々あるのだ。

そうした訳で、構成した文章に対して、おふたりに少し申し訳ない気持ちもあった。ところが、この文章を読んだ明智編集長から意外な言葉を聞いた。蓮實先生の文章を学生の頃に読んだ時のことを思い出しましたと、感謝のメールをいただいたのだ。たしかに、蓮實先生のユーモラスな決めつけとか言い切りがふんだんに出てくる。

昔の蓮實先生の文章になじんでおられた方、そして何より溝口健二の映画にこれから接しようという学生や映画作家には必読であろう。

そして、「溝口健二著作集」を購入いただければこれに勝ることはない。この本を何度も読むことで、映画作りの極意、方法論などがよくわかるはずだ

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