By | 2015年6月11日

贅沢な自主映画『ストロボライト』 西田宣善

横浜シネマリンというはじめて訪れる劇場にて、片元亮監督『ストロボライト』を見た。とある理由から、以前サンプルDVDでは見せてもらっていたが、劇場で見るのは初めてだ。やはり劇場で見ると当たり前だが迫ってくるものが全く違う。

この映画、やたらと手間と時間がかかっているように見えるのが、実は全くの自主製作映画だ。

物語は刑事ドラマ。とかく日本の自主映画といえば、半径5メートルほどのスケールで恋愛を描いたものが圧倒的に多い。その風潮に反旗をひるがえし、片元監督が商業映画も顔負けのスケールで謎の殺人事件をつくりあげている。

登場人物の多さと、複雑なストーリー、謎解きと淡いラヴストーリーも配合して、見応えのあるものに仕上げている。

撮影は伊丹市中心で行われているが、舞台は何と東京。これはご当地映画ではない。警察、病院などロケ地は多様で、エキストラも多数動員されている。

謎解きと思って見ていると、はぐらかされたり、思わぬ登場人物が出現したり。変幻自在の容貌を見せるのがこの映画の魅力だ。ラストは観客を宙ぶらりんの状態に誘うのだが、それもこの映画の独自の味わいだ。

俳優たちは全員無名。これでも関西では大阪京都神戸のミニシアターで大規模な公開を行い、ヒットした。残念ながら、東京での公開は終了してしまったが、監督と配給担当の槇さんは、このあとも映画について全国行脚を続けるという。だから、毎回必ず監督の舞台挨拶がある。この映画を見た女性グループでのリピーターが出現して、劇場を追いかけて見続けているという。それだけ吸引力のある映画だということだ。


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