By | 2015年6月12日

南木顕生さんのこと  西田宣善

 南木さんとは、私が宣伝を担当した『歌舞伎町案内人』(張加貝監督)の脚本を師匠の神波史男さんと書かれていて、それで知り合った。といっても、その時はシナリオのイベントにチラシを持って行ってほしいと連絡を受けた覚えがあるだけで、会って話した記憶がない。
 それからかなりの時間が経って、南木さんがSNSで書かれている日記がおもしろくて、読んでいるうちに私のことが本人の目に留まったらしく、友人申請してとのことで、友人になった。その日記での南木さんは、毎日のようにすごい数の映画を見ては読みやすくて痛快な評を書かれていた。時に、映画をメチャクチャに批判することもあるし、独断が強いのだが、読んでいておもしろかった。
 やはりSNSで知り合った名古屋の友人がおり、彼は南木さんのことを慕っていた。その友人が東京に遊びに来るということで、彼を囲んで飲み会が行われることになった。私もその会に呼ばれたのだが、仕事のため合流が遅くなった。だから飲み足りなくて、名古屋の友人、南木さんと二次会をした。場所は新宿のBURAという店。映画人などがよく集まる店だ。案の状、南木さんの知り合いの脚本家などがおられた。私たちは3人で映画談義。南木さんの言葉は熱かった。4時ごろ店を追い出されて、サイゼリヤに行く。時間は朝の5時。南木さんの弁はますます冴え渡る。「シナリオでもそうだけど、俺はこの時間がいちばん冴えてるんだ」。確かにSNSの日記でも、朝寝て、昼起きる生活のように見受けられた。こちらは眠くてたまらない。
 そうだ。その日は南木さんの初監督作品『ニート・オブ・ザ・デッド』の撮影間近だったのだ。録音担当がいないので、私が知人を紹介しようとしたりしていた。それはスケジュールが合わず、残念ながら叶わなかったのだが。その後の配給の経緯は、5月20日のブログに書いているが、最初、南木さんと一緒に映画館に営業に行った。その時は1本立てで、毎回南木さんとトークショーをするというもの。しかし、その映画館からは断られた。ある有名映画祭からも断られた。
 この前後、南木さんの動きは激しくて、いろんな監督作品や脚本作品を動かそうとしていた。そのうちのいくつかの相談を受けたりしていた。
 2014年4月4日、南木さんが亡くなったと知った。『ニート・オブ・ザ・デッド』の配給という宿題が私には残された。今度はトークショーを毎日やる訳にはいかないので、何かふさわしい併映作品はないかと探した。何本か考慮した映画はあったが、最終的に行き着いたのが木部公亮監督の『遺言』だった。この映画は前から見ていたし、どちらもゾンビ映画である。
 こうして『ニート・オブ・ザ・デッド』は公開の運びになった。皮肉なことに、南木さんが亡くなってから、大きな映画祭にも出品することができた。あと南木さんの遺志はこの映画が海外に出ることだった。海外の映画祭に行けるかどうか。それはまだ交渉の途中である。
 
NEET_OF_THE_DEAD-02


5 thoughts on “南木顕生さんのこと  西田宣善

  1. 吉川 北京波

    死んでからというもの、なんきんさんは日に日に人懐っこいさびしんぼみたいな部分だけが残っています。こうなれば、彼の夢がかなうことを祈るばかりです。

    吉川 北京波

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    1. 西田宣善

      コメントありがとうございます。なんきんさんがいない間にいくつかのものごとが動いていっています。またご報告したく思います。8月に大阪で、あるイベントを予定しています。その時にでもお目にかかれれば幸いです。

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  2. 松島恵利子

    そろそろ、南木先生の命日ですね。もう三年もたったなんて・・・
    私は南木先生のもとでシナリオを教えていただき、いまも脚本を書く仕事を続けています。
    一本書くごとに、自分のシナリオには常に南木先生が生きて居るのだなぁと感じます。
    ニートオブザデッド、世界に羽ばたけたらいいなぁ。

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    1. omuro Post author

      松島様 コメントありがとうございます。もうすぐご命日ですね。御墓参りへ行くつもりです。
      まもなく「南木顕生遺稿集」を出版しますので、当ホームページにてお知らせします。
      どうぞよろしくお願いいたします。

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      1. 松島恵利子

        遺稿集、出版されるのですね。奥様から「出せたらいいなぁ」と聞いていたのでうれしいです。私はまだお墓参りに伺えていないのです。
        先生がいらっしゃらなければ、私は脚本家になれませんでした。
        その後恩は一生忘れません。

        お知らせ、楽しみにしています。

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