By | 2015年6月17日

ダニエル・シュミットが出演している映画  西田宣善

 先日、また8ミリ映画を見る日があった。こんどは短編ばかり約20本。私が監督した映画と、現在全作品を預かっている大学時代の友人、牧正之君の作品だ。一緒に見た辻豊史さんと話しながら。
 私は、自分の作品については何度も見ているので目新しい印象はないのだが、やはり時間が経ってみると、感想は変わってくる。製作当時は大失敗作だと断じていたヌーヴェル・ヴァーグごっこがしたかった映画『アスファルト作戦』はそれなりに可愛く思えたし、音楽がない3分間の劇映画『生霊』は、キネ旬でデザイナーをしている島岡進さんが主演なのだが、他の出演者も含めてレベルが高く感じたりした。
 辻さんがおもしろく思ったのは、『影の人々』という10分の短編だ。これは、フジフィルムで当時特別に行っていたカラーフィルムを白黒に現像するというサービスを初めて試した映画で、辻さんはビデオにはない、フィルムならではの白黒の質感を褒めてくれた。この映画は、ある女性が超能力を持つという予知夢を体験するというものだが、最初と最後にヒロインのスイスの叔父さんというのが出てくる。これが亡くなったダニエル・シュミット監督なのだ。当時、キネマ旬報社でアルバイトをしていた私は、たしか河原晶子さんがシュミットにインタビューされる場に同席させてもらい、大胆にも8ミリカメラを回させてもらった。この映画の音楽は、サイレント映画調を狙って、『シー・ホーク』というエリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトの映画音楽を使っている。知っている人は知っているが、シュミットの代表作『ラ・パロマ』でのクライマックス、山上での歌のシーンで流れるのがコルンゴルトのオペラ「死の都」であることからきている選曲である。
 あと、牧君の数々の映画であるが、『パラレル姉妹』という実験映画と劇映画がミックスされた作品が良かった。たしか彼のイメージフォーラムの映像学校での卒業制作だったと思うが、イメージフォーラム的な実験性が程よくて、こういう映画をもっと見たいと思った。ちなみに、私はこの映画で共同撮影を担当しているが、自分がどのショットを撮ったのか、ほとんど覚えていなかった。

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